世界記録保持者キプタム、交通事故で急逝 ケニア陸上界に悲しみ広がる

ケニアの陸上男子マラソン界を席巻していた世界記録保持者、ケルビン・キプタム選手(24歳)が、11日夜、自動車事故で急逝した。同選手は、2023年に開催されたシカゴマラソンで圧倒的な走りを見せ、エリウド・キプチョゲ選手の記録を34秒も塗り替え、2時間0分35秒の新たな世界記録を樹立していた。この悲劇は、ケニアのエルドレット郊外で発生し、同乗していた監督のガルベ・ハキジマナさん(36歳)も犠牲になった。

事故は、キプタム選手が運転するトヨタのプレミオが現地時間の午後11時ごろ、制御を失って道路をはずれ、約60メートル離れた溝に突っ込んで大木に衝突したとされている。車内にいたもう1人も重傷を負い、警察が詳細な事故原因を調査している。

キプタム選手は、短距離からマラソンに転向し、わずか1年前の昨年10月にシカゴマラソンで輝かしいデビューを果たしていた。同大会での2時間0分35秒の記録は、キプチョゲ選手のものを更新するものであり、ワールドアスレティックスにも公認されたばかりだった。キプタム選手は、キプチョゲ選手の後継者として期待され、今後の活躍が期待されていたばかりだった。

監督のハキジマナさんは、ルワンダ出身の元プロ選手で、5000メートルやハーフマラソンなど、様々な競技に出場していた。彼もまた、陸上界での功績を残していた存在であり、ケニアのマラソン界においても重要なサポートを提供していた。

この悲劇に対して、陸上界からは多くの追悼の声が上がっている。キプタム選手とハキジマナさんの突然の逝去に、多くの人々が驚きと悲しみを共有している。彼らの偉大な成績と共に、彼らのご冥福を心からお祈りいたします。